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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
しかも取附けられたその寝具の蒲団は、体を入れたあとで、蒲団の合わせ目をそろえ、内部から、チャックという金具を引くと、まるで袋のようになってしまうのであった。
「先生、この蒲団は、おもしろいですね。なぜ、こんなことになっているのでしょう」
と、千二が言うと、先生は、
「これかね。これは、つまり天井と床とが、逆になっても、ちゃんと寝ていられるように、つくってあるのさ。そうだろう。逆になれば、反対に、ぶらりと、さがるのだよ」
と、説明をこころみた。
「なるほど、おもしろい寝台だなあ」
千二は、目から上を、蒲団の外に出して、笑っていたが、そのうちに、つかれが出て、ぐっすり寝こんでしまった。
それからあと、どのくらい、眠ったのか、千二は、よくおぼえていない。ふたたび気がついたときは、千二は、だれかに、しきりに名をよばれていた。
「おい千二君。へんなことがあるから、ちょっと起きたまえ」
千二は、ねむい目をこすって、寝台の中から、首を出した。
「あ、先生。どうしたのですか」
と、先生の顔を見ると、先生の顔色は、まっ青であった。ただごとではないらしい。
「おい、千二君。博士のようすが、へんなのだ。