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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
火星は、もう大きな鏡のようになり、そうして、まぶしいほど明かるかった。それは火星塵を通り越したからであった。始めて、すきとおった空をとおして、火星を見るのであった。
ああ火星のすがた!
火星は、地球と同じように海らしいものもあるし、また陸のようなところもあった。ただ不思議なのは、真白に光る、かなり広い円形のところがあった。
「ああ、あれかね。あれは、火星の極だよ。大変寒いところで、あの白いところは雪と氷がつもっているのだ。そこへ太陽の光が照りつけて、あんなに美しく光っているのだ」
ああわが太陽! このはるかな火星に来てみても、あの太陽だけは、この地球と同じ太陽が照りつけているのだと思えば、何だか急に、太陽がなつかしくなった。
66 ふき矢
「おお、お前たち、どこへいったのかと思って、さがしていた」
そう言って、はいって来たのは、蟻田博士であった。
新田先生と千二が、ふりむいて博士を見るとともに、おうと声をのんだ。
「博士、ものものしい、おすがたですね」
博士は、まるでサンタクロースかエスキモー人のように、厚い毛皮の服に、ズボンに長靴といういでたちだった。