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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

口よりすこし下のところに、へそみたいなものがあるだろう。この穴にあてればいい。そうして、口で、ぷうとふけば、ふき矢は、ちゃんとあたりまえに、とんでいくのだ。わけなしのことだよ」

「ああ、そうですか。なるほど、この穴ですね」

と、千二は、かぶとの下についている、へそのような穴に、さわってみた。

「しかし、博士。こんなところに、穴があいていると、かぶとの中の酸素が、みんな外にもれてしまいませんか。また、外から、火星の空気がはいって来ませんか」

「それは大丈夫だ。人間の心臓に、べんというものがついている。そのべんは、一方からは通るけれども、その反対の方向からは、通らないのだ。これをべんといって、心臓だけではなく、世の中にある機械にも、べんのはたらきをするものが、よくつかわれている。このかぶとの中につけてあるのは、つよい特殊ゴムでできたべんである。だから、お前のいうしんぱいはないよ」

と、博士は、べんのしかけを説いた。

67 出陣

「カリン岬が見えました」

と、ロロ公爵が、博士のところへ知らせて来た。

「もう見えますか。おい、新田、操縦室へ来い」

「はい」

千二も、あとからついていった。