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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

そのうちに機関は、ぱったり止った。大空艇はたくみな滑走をつづけながら、岬の上を低くとんでいく。そうして、やがて、ごうんという音とともに、砂浜の上に着いた。

いよいよ火星に着いたのだ!

砂のうえに着陸した大空艇は、そのまま、じっとうごかない。

いきおいよくまわっていたエンジンも、今やぴたりととまった。死のようなしずけさである。

そのとき、蟻田博士は、

「おい、新田、ハンドルを二十一へ!」

「はい、二十一」

いよいよ扉をあけるときが来たのである。

「ハンドルを十九へ」

「はい、十九!」

どこかで、しゅうしゅうと、空気のもれるような音がきこえる。

「ハンドルを十七へ!」

「はい十七」

千二は、目を見はって、博士と新田先生の二人を見つめていた。

「ハンドルを十三へ」

「はい十三」

「ハンドルを、あとしずかに零までまわせ」

「はい、しずかにまわします」

しゅうしゅうといっていた音は、もう消えてしまった。

そのとき、千二のうしろで、かたんかたんと、金属のすれ合うような、ひびきがきこえた。なんの音だろうかと、千二が、うしろをふりかえって見ると、そこには、異常な光景があった。

「あっ、ロロ公爵とルル公爵が!」