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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「なにをぐずぐずしている。早くかかれと言うのに……」

丸木は部下を、しかりつけた。

火星兵は、かねがねこの蟻田博士の手なみを知っているし、それに地球へいって、人間からひどい目にあっているところだから、少々しりごみをしていたところであった。しかし丸木に、しかりつけられては、もうしりごみをしておられない。

ひゅう、ひゅう、ひゆう、ひゅう。

ぷく、ぷく、ぷく、ぷく。

火星兵は、へんな声をあげて博士たちにせまって来た。

そこで博士は大声でしかりとばした。

「来るか。来るならいつでも、あいてになってやるぞ。おい、新田、千二、ふき矢をふけ」

新田先生と千二は、さっきから、ふき矢をもって、いつ命令がくだるかと待っていたところだから、すぐさま例の酸素かぶとの下にある口にあてて、ぴゅう、ぴゅう、ぴゅうと矢をふきだした。

そのとき、博士が言った。

「丸木は、わしがひき受けた。丸木にはあてないがいいぞ。ほかの火星兵はみんなやっつけてしまえ」

博士はなかなか元気であった。

蟻田隊と丸木隊とのたたかいははじまった。

火星兵は、どこにかくしもっていたか、先の太いこんぼうのようなものを、ほそながい手に、にぎって、蟻田博士たちをめがけて、おしよせて来た。