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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

おい、司令官。これは、どうしたわけだ」

「それなんです、丸木閣下。こっちの撃っているのは破壊弾なんですが、ロロ軍が撃って来るのは、奇妙な砲弾なんです」

「奇妙な砲弾とは」

「一種の溶解砲弾です。しゅうと飛んで来て、ぽかんと破裂すると、白っぽい汁をあたりへまき散らすのです。そこからガスみたいのものが、もうもうと出て来ます。こっちの兵が、それにあたると、からだが、とろとろにとけてしまうのです」

「ああ、そうか、なるほどなるほど」

「丸木閣下、かんしんなさっていては困ります」

「いや、その砲弾なら、われわれ火星兵団が地球へ攻めていった時、ふりかけられて弱ったやつだ。うむ。察するところ、ロロとルルの奴、蟻田博士からそのような砲弾のつくり方を教えられ、それをひそかにつくってペペ山にかくしておいたものにちがいない」

丸木は、そう言って、少しおじけづいたようであった。

「とにかく、わが軍の死者すでに何千という、たいへんな損害です。どうしましょう」

「弱ったなあ。まさか、そのようなものを持っているとは、考えていなかった。よろしい。それでは、こっちは地下をもぐっていく戦車隊をくりだそう。