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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
やっぱり、あわてていたせいだろう。あわてるのは、そんだなあ」
千二は、はずかしくなって、ひとりでに顔が赤くなった。
矢の方向へずんずん歩いていくと、一つの大きな岩山にぶつかった。しかし入口はまだ見えない。千二は、もっと向こうかも知れないと思って、その岩山をよじのぼったが、
「おや、もうこの先は海だ」
と叫んで、がっかりした。
海へ出ては、いきすぎだ。
千二少年は、岩山をまた下りて後もどりした。その途中、岩山のどこかに割目でもありはしまいかと念入にさがしたのであるが、割目などは一向に目にはいらない。そうして、そのうちにとうとうもとの砂原におりてしまった。
「これはおかしい。どうしても、この大きな岩山の、どこかに入口がなければならないのだが……。はて、困ったなあ」
千二は、しばらく岩山をじっと見上げていたが、そのうちに思い出したことがあった。
「ああ、そうだ。博士から聞いたところでは、このカリン岬の下の洞窟内には五つの扉があって、それを開くには呪文を言えばいいのだ。そうだ、あの呪文をどなって歩いたら、どこかの地の底で、扉があく音が聞えるかもしれない」
千二は、呪文をとなえるなんて昔話のようで、ばかばかしいことだと思ったが、ともかくそれをやってみることにした。