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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「おう、千二君じゃないか。どこへ、いっていたんだ。しんぱいしていたよ」

新田先生が、かけだして来て、千二の手をぐっとにぎった。

「ああ、先生」

と言ったまま、千二は、そのあとを言うことが出来なかった。火星の上でまよい子になり、これからどうしようかと思いながら、きみのわるい洞窟へはいっていったところ、そこで思いがけなく、新田先生たちに、あえたのであった。こんなうれしいことはなかった。

博士も、奥から千二の方を見て、にこにことわらっていた。

千二は、手みじかに彼が丸木にさらわれたことや、その丸木が、いまペペ山を地底から、ばくはつさせるために、じまんの地底戦車隊へ出動命令を出したことなどを話したのであった。

それを聞いていた新田先生は、いみありげに、蟻田博士の方へ顔を向けた。

すると博士は、千二のそばへやって来て、その肩へ手をかけながら、

「千二君。お前は、その地底戦車隊が、いよいよペペ山の下を、ほりはじめたところを見たかね」

と聞いた。千二は首をふって、

「いや、僕は、そこまで見ていなかったのです。丸木が、近づく戦車隊の方に夢中になっているすきをうかがって、僕はにげだしたのです」