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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「いや、おれは火星王だ。そうしてこの大宇宙をおさめるのだ。地球なんかこわれてしまえ。わしは金星を攻略し、木星を従え、水星も土星も、わが領土とするぞ。そうしておれは、更に他の太陽系の星をめがけて、突進するのだ」

丸木は、いよいよ大きなことを言って、いばりちらした。

丸木は気がへんになったようになって、いくらアグラスがすすめても、新王ロロにしたがうとは言わないのであった。

アグラスも、もうこれまでだと思った。

「やむを得ん。射撃用意。目標、逆賊丸木……」

アグラスの命令は、高声器によって、丸木の耳にも、つよくひびいた。

「なんだ、なんだ。おれを撃つというのか。撃てるものなら、撃ってみろ。どうして撃てるものか」

丸木は、まだ、つよがりを言っている。

その時、地底戦車隊長のアグラスは、ついにさけんだ。

「撃て!」

隊長の命令一下、戦車砲は、天地もくずれるような大音をあげて、一せいに砲弾を撃出した。

砲弾は、丸木が腕ぐみをして立っていた小高い岡に命中し、ぱぱぱぱっと、ものすごいいきおいで炸裂し、もうもうたる硝煙は、たちまちその岡をおおいかくしてしまった。

丸木のからだは、どうなったであろうか。