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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
湖の中から、なぜ火柱が立ったか。またその火柱は、一体どうしたわけで燃立ったのか。これについて、新田先生はすこぶる大胆な考えだったが、こう考えた。
この湖の中から、火星ボートが飛出したのにちがいない。その火星のボートというのは、千二の見たという塔のような形をしたもので、それは全体がうす桃色に光っていたというから、それが湖の中から上へ舞上ったので、火柱に見えたのであろう。
これは、すこぶる大胆な考え方だったけれど、そのように考えると、次の言葉の、
(あっ、火柱が飛出した)
という意味が、ちゃんと合うのではないか。新田先生が、膝を叩いたのも道理だった。
新田先生の面には、喜びの色が浮かんだ。
とにかくこれで、千蔵のうわごとから、一つの答えを得た。
(湖の中から、光る火星のボートが飛出した)
というのが、その答えだ。
はたして、この答えは正しいかどうか。
火星のボートは、おそらく空中に飛去ったことであろう。
一体、なぜ火星のボートは、湖の中にあったのであろうか。それは千二少年が語ったことが、思い合わされる。――つまり、天狗岩の上に立っていた塔みたいなものが急に傾き、そうして、湖の中に落ちるところを見たと言った。