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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

私どもの経験によると、とにかく、ここ四、五日は様子をみていなければ、安心できません。その間に、丸木が、ひょっくり姿をあらわすかもしれないのです」

大江山課長は、火星のボートがいなくなったから、丸木も一しょに逃げたと、そうきめることは、まだ早すぎると思っていた。

新田先生には、どっちがほんとうだか、よくわからなかった。とにかく課長の頼みもあることだし、彼も前から、旧師蟻田博士のことが気にかかっていたところなので、その足で、蟻田博士に会いにいくことにした。

新田先生は、その足で、蟻田博士が入れられている病院へいった。

大江山課長は、両国駅にはいるのを一時見合わせ、病院へ電話をかけて、博士を出すように命令をした。そうして新田先生に、一人の警官をつけて、案内させた。

とつぜん退院のゆるしが下って、蟻田博士は、喜ぶやら怒り出すやら。

「けしからん奴どもじゃ。わしを、まるで囚人のように、こんなところへおしこめておいて、今になって、もう出てもよろしいとは、なんという、勝手な奴どもじゃ。わしを、一体なんと思っているのか」

その時、新田先生が、博士の前にいって御機嫌を取らなければ、博士はなおも、檻の中から出たライオンのように、あばれまわったことであろう。