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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

地球が、粉みじんに、くだけてしまうのじゃ」

「先生、それはじょうだんですか。それとも、小説かなんかの話ですか」

新田先生には、博士の言葉がまだのみこめなかった。

そうでもあろう。地球が粉みじんになる日が来るなんて、そんなばかばかしいことが、あるであろうか。

さもなければ、蟻田博士は、やはり病院にはいっている方が、いい人なのではなかろうか。つまり博士は、変になっているのではなかろうか。

新田先生はどっちに考えていいのか、たいへん迷った。

蟻田博士は、記録紙を机の上にのせると、ていねいに巻いていった。そうしてそれを大事そうに側の金庫の中にしまった。その間、博士は一言も発しなかったが、それが終ると深いため息をついて、新田先生の方を見た。

「おい、新田。お前には、このことがのみこめないかもしれない。が、よくお聞き。さっきも言ったように、かねて注意を払っておいたモロー彗星が、わしの留守中、急に進路を変えたのだ。その結果モロー彗星の新しい進路は、これから地球が通っていくはずの軌道と交るのだ。しかもその交る時刻に、モロー彗星も、地球も、その軌道の交点に来るのだ。だから、両方は大衝突をする!」