轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

最後のその伝がはじまったとき、その妻は父からの脱出の使者を追いかえして、可愛い娘二人かを手にかけ自刃します。当時の強いられた女らしさというものが彼女をそういう命の終らせかたに追いこんでいる。この娘たちも女にこの世に生れて私と同じうきめを見るならば、と自分と一緒に命を終らせている。そういう女の燃え立つ心、それは単純に良人への愛ということだけで云いきれないでしょう? 心を打つものがあって、それも同じ頃(お菊と)よんだのだが、どこにかいてあったか忘れてしまって、場所が(本の)見つからないのです、武家時代のことですが。

近松なんかは義理というものに挾まれた武家の女の苦しみは描いて居りますが、その妻のプロテストは義理ではありませんものね。

さあ、こんなに種明しをしてしまって、何だか、きまりわるいこと。肝心の一番手近のはまだ何ともきまらずボー漠としているのに。でもね、歴史小説にしろ、女のかく歴史小説というものの特色はあり得るという確信はあって、やはり面白うございます。これらは何年の間に出来上るでしょう。これで案外遠いものほど近いのよきっと。つまりお菊その他が、アイヌより先になり得るのです、いろいろの点から。