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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

という妙なことが云われ、大衆は批判の精神なんか持っていないし必要としていないと云われた(小林秀雄)時代から、急速な落下状態としてどういう意味をもっているのか、作家と読者とのむすびつきのモメントのことなど、いろいろ考え中です、『都』へ「読者論」を四回かきます、読者だけ切りはなして私には云えませんから、読者と作者との内的レベルの同一さがここで問題になると思うのです、現実に対して同じような低さ、俗さ、中学生程度がとりあげられるのだろうと思います、すこし本気で考えてかきます。面白いでしょう?

これをかいたら『婦人朝日』へ三十枚の小説をかいて。やっぱり中途からついわりこみますね。ああお客が来てしまった、ではまた。

この間に五日が経ちました。

きょうは五月の十二日(日曜日)ひどい風。

けさ、女のひとのためのものを六枚かき終り。お客。それがかえって。夕飯までのひと休みを。

十日には、土曜日にたかちゃんが話したように行けませんでした。新聞のこと二回だけ書いたら行こうと思ったのですが、それがかけず。おしかったけれど、丁度何だか神経の工合で、ひどく胸がドキついて、夜中息苦しく目をさますようでしたから、休むと云っても、どっさり歩いたりしない方がいいだろうと思って。