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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

それもあったのです。どこか疲れがあって、そんな風に出ます。でも神経性で自分でもそのことにはこだわらずよく早ねをして、すこし朝長く床にいて、昼間仕事して、その位の注意で大丈夫です、みんな書くものは疲れかたがひどいことねえ。それは本当にそうだとも思えます。私なんかこんなに気をつけていてこの位ですもの、でも寝てしまうことはこの頃殆ど全くないからなかなかの好成績ですが。御心配は無用よ。食事だってよくよく気をつけて居りますから。よく野菜たべて。

たかちゃんに、例によってと笑っておっしゃったという用件ね、どうでしょう! 自分で、これから行きます、と金曜日に私に答えたのよ。

短篇をあつめたのが金星堂から出ます。直さんの『長男』を出したりしている昔からの店。「三月の第四日曜」をそこの主人のひとが大変感服したのですって。その題にします。これはあなたも御存じの題で私は気に入って居ります。「広場」「おもかげ」「昔の火事」「杉垣」その他『新女苑』にかいた短篇三つ。それからもと、長篇としてかき出した「雑沓」「海流」「道づれ」これはどうなるでしょうか、もう一度よくよみかえして見なければなりません。