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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
『中公』の書き下し長篇の話、本きまりになりました。顔ぶれはどういうのかその選びかたが分らないみたいです、女では、岡本かの子、私きり。男では石川、丹羽、石上(新しい人です)そのほか。いろんなところから書き下しが出ているが質のちゃんとしたもの、長篇とはかかるものなりというにたるもの、そういうものを出したい由。紙数が制限されてのびのびかけないから、そういう文学上の意義を完了させたい由。四百五十枚ぐらいの由。七八千刷る由。一割二分の由。四五月ごろからかきはじめることになりそうです。それ迄にすっかりいろいろすませて、それに全部かけます。印税をすこしずつつかって兵糧にして。ああと思うのよ、本当にかきたいものを、と思って。しかしよくよく構成をねって私はかきたいこと、書きたい情景、いろいろ出来るだけ活かして見るつもりです。今はまだまだそこに行っていず。手前ですまさなければならないもの一杯だから。これを二月一杯にすませ、三月以後はほかの仕事は大体のばして。三ヵ月びっしりかかってかき上げます。たのしみです。二年に一冊長篇かくことにして、勉強するのもいいと出版部の人とも話しました。