轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

そして、それは女の櫛になります、黄楊の小櫛。

けさは、めをさまして、しばらく横になっていて、秋の朝の気持よいしずけさ、明るさ、すずしさをしみじみ感じました。そしてね、「朝の挨拶」という詩を思い出しました。朝、めのさめた子供が、活々とした顔をうごかしてまわりを見まわし、遊び仲間を見つけて、朝の挨拶に出かけてゆく、その足どり。それから訪ねられた女の子が、まだすこし眠たくて半ばうっとりとしながら一声一声に段々溌溂と目をさまして来る上気せた頬っぺたの朝の色。いろいろそういう描写を思い出し、やさしい心いっぱいでしずかに空を眺めている秋の朝と、そこから又別の詩がわくようでした。

この婦人作家の仕事は、本当に誰もはかかないものになってうれしいと思って居ります。よかったわね。それに、これをやったために図書館で準備的な調べはやれる習慣がついて、私としては大しためっけものだと思います。何だか心づよい。一昨年は本が買えないということで、やっぱり生活の気分を圧せられました。ここも新刊は不十分ですけれども、それでも自分がしっかりテーマをつかみさえすれば何かは出来ます。そういう自信は小さい小さいことですが、でもやっぱり一つの生活上の実力よ。