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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
それに一般のこととして云う場合、この同僚感というものも、ずいぶん薄いものなのが普通のようです。只机をならべているというだけで、同僚感というような感情までないのが十中八九らしい。その何人かのうちでやや近い同僚感をもてるのが数人あって、更にその中の輪として友人があるのね。タワーリシチという言葉の訳の同僚というものは、若い女のひと一般には存在しないのではないの? だから同僚感というとき、その内容づけは、極く一般的な形で、同じところにつとめている人、同じ課に働いているひと、となってしまうのね。
自分のこととして云えば話は勿論ちがいますが。同僚と友人、その区別は実にはっきりせざるを得ませんもの。そして何というか、ある人と人とをある時期が同僚として結び合わせても、その客観的な条件が変ってゆけば、それに応じて又変るのでね。そのことも何と動的でしょう。生活の地平線から消え去る多くの姿が必然にあるわけです。
それからね、紙の質と国力の話ね、それからつづいていることね、あれを無意識に書いているということでは困るわ。あなたも大変おこまりでしょうが、私も閉口だわ。だって、そうでしょう? ひとりでにかけてしまうことではないでしょう?