轻松读懂日语经典作品
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
「税のしるべ」大蔵財務協会、1955(昭和30)年1月~7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,364 字 · 178 页
――技を使うな。
と、周作はきびしく戒めた。
栄次郎には(深喜の眼には)特異な技があるようだった。しかし、他の人たちは師の教えを厳守していたし、その上に各自が会得すべきものを会得していた。
彼は自分の眼がひらいたように思った。
これまで感じたこともなく、彼の眼から隠されていた道が、幕を切って落しでもしたかのように、彼の前にひろく大きく展開したように感じられた。
たしかに、彼は自分の視界がひろがったと思った。
――よし、やるぞ。
と、彼は自分に云った。
仙台藩を出たことはよかった。あのままでいたら生活は安穏かもしれないが、結局は下屋敷の師範として、小さく固まったにちがいない。そうだ、淵辺道場を逐われたこともよし、伊達家から逐われたこともよい。不幸や不運は、それに屈しさえしなければ、人を成長させ新しい力を与える。そうだ、と深喜は思った。
――おれは、ここで第一位になってみせるぞ。
彼の日常は稽古と技のくふう以外になにもなかった。
夜半、ひそかに道場へ出て、昼のうちに思いついた手を試みてみたり、また、しばしば、夢のなかに妙手をみてさめ、寝衣のまま道場へいって、その(夢にみた)手をためしてみたりした。