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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
二
逆に虚をつかれた張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)の兵は、たちまち乱れ、さんざんに打ち破られ潰え、谷の中に追い込まれてしまった。
その上に、柴の車をもって細道をふさぎ、一斉にこれに火をかけたので、火焔は天に冲し、草木に燃えうつって、黒煙は土をおおい、張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)の兵は山中を逃げまどったが、森林地帯ではあり、思うに任せず、遂に一人も残らず焼死してしまった。
この一戦は、終始張飛の圧倒的な優勢裡にすすめられて、残り少ない敗残の手兵をあつめ、張※(「合+おおざと」、第4水準2-90-10)は、命からがら瓦口関にのがれ、よじ登って、あたふたと門を閉じて、ここを死守すべく厳重に守った。
魏延を率いて、ここまで追いつめた張飛は、一気にこの関も破るべく、数日にわたって攻めたが、さすが、名ある瓦口関である。要害は堅固で、また地勢嶮岨を極めて、揺ぎもしない。
張飛は正面攻撃をあきらめ、二十里後方に退いて、陣を構え、みずから手兵数十騎を選び伴い、山路の偵察を行った。
ある日。
山道からふと見ると、百姓らしい男や女が幾人か、背に荷を負い、藤蔓にしがみつき、あるいは葛にとびついたりして、山を越えてゆく姿が張飛の眼にとまった。