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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
二
「これは油断がならん。味方のうちからいつ暴動が起るかもしれない。蜀帝の憎み給うものは、むしろ馬忠にちがいない。いま、われらして馬忠の首を持ち、蜀帝のまえに赴いて前非を悔ゆるなら、きっとお許しあるは疑いもないことだ」
と相談して、自分たちの首を取られない前に、一夜彼らは馬忠の寝首を掻いた。そしてその首を取るや否、脱走して蜀の陣へ駈け込んでしまった。
二
糜芳と傅士仁のふたりを脚下に見ると、帝玄徳は怒龍のごとき激色をなして罵った。
「見るも浅ましき人非人ども、なんの面目あってこれへ来たか。ひとたび窮すれば、関羽を呉へ売り、ふたたび窮すれば、呉を裏切って馬忠の首を咥え来る。その心事の醜悪、行為の卑劣、犬畜生というもなお足らぬ。もし汝らをゆるさば百世の武門を廃らし、世の節義は地に饐えるであろう。さらに関羽の霊位に対しても、断じて生かしておくことはできない。――関興関興、この仇二人は汝に授ける。首を刎ねて、父の霊を祭るがよい」
関興は、雀躍りして、
「ありがとうございまする」
と両手にふたりの襟がみをつかんで、関羽の霊前まで引きずって行き、首を斬ってそこに供えた。