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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁

青空文庫

作戦は成功したのである。魏軍は網中の魚にひとしい。けれどその朝、関羽からいわれている旨もあるので、

(序戦はまず敵の胆を挫げば足る)という程度に、長追いもせず、悪戦もせず、ただ退路を失って四方に潰乱した敵を、手頃に捉えては潰滅を加えた。

で、荊州軍としては、ほとんど、損害という程度の兵も失わず、しかも敵に与えた損害と、心理的影響とは、相当大きなものだった。

なぜならば、曹仁は辛くも生きて帰ったが、夏侯存は、関平に討たれ、元は廖化に追いつめられて、乱軍中に仆れ、いわゆる先陣の二将を、序戦にうしなったからである。

第二日、第三日も曹仁は、不利な戦ばかり続け、ついに襄陽市中からも撤退のやむなきにいたり、襄陽を越えて遠く退いてしまった。

関羽軍は、襄陽に入った。

城下の民衆は、旗をかかげ、道を掃き、酒食を献じたりして、

「羽将軍来る、羽将軍来る」と、慈父を迎えるような歓迎ぶりを示した。

司馬の王甫が、このとき一案を関羽に話した。

「幸いに、大捷を博しました。けれどこの勝利に酔っては危険です。いくら魏に打ち捷ってもです。――なぜならば呉というものがありますからな。