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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
蜀兵の捕虜は、このほかにもおびただしく玄徳の後陣へ送られてきた。とまれ第一戦はまず味方の大勝に帰したわけであるから、玄徳は将士に恩賞を頒ち、降兵はことごとくゆるして、それぞれの部隊に配属させた。
ときに、老黄忠は、玄徳の前に出てこう訴えた。
「抜駆けは軍法の大禁。魏延はまさに公然それを犯したものです。ご処分を下し給わねば軍紀の紊れとなりましょう」
「魏延を呼べ」
玄徳の使いに、魏延は直ちに、虜将冷苞を自身でひいて来た。
それを見ると玄徳は、この若い勇将を軍法に処す気になれなかった。その愛を内に秘めて彼はこう魏延を叱った。
「聞けばそちは、すでに危ういところを、黄忠の矢に救われたというではないか。予のまえで黄忠に恩を謝せ」
魏延は、黄忠に向って、
「貴公の一矢がなければ、賢のために討たれていたかも知れない。つつしんで高恩を謝します」と、ひざまずいて頓首した。
玄徳はそれを見ながら、もう一言詫びよといった。魏延は抜駈けのことだと察したので、
「それがし、若輩のため、気のみはやって、時刻や進路をあやまり、自ら危地へ陥ったこと、面目もありません。しかしこれもみな一途君恩に応えんためのみ、どうかご寛容ねがいたい」