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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁

青空文庫

すると彼方からひとりの童子が歩いてきて、彼の前へくると足を止めてにこりと笑った。

「あなたは陳震先生でしょう」

いきなりいわれたので、彼は大いに愕いて、

「どうしてわしの名を知っているのか」と目をまるくした。

「きのう私の師が仰っしゃっていました。あしたあたり蜀帝のお使いで陳震という人が山へ登ってくるだろうって……」

「えっ。ではお前の師というのは、李意仙士か」

「そうです。……けれど私の師は、誰が来たって、会わないよ」

「そんなことをいわずに、ぜひ案内してくれ。たのむ。……ほかならぬ天子のお使いじゃ。もし仙士がお会い下さらねば、わしは帰ることができない」

「じゃあ、お取次ぎしてみるから、来てごらん」

童子は先に立って歩いた。

行くこと数里、平かな一仙境があった。童子は庵へ入って、師の李意に告げた。李意はやむなく出て勅使を迎え、

「帝のお使いとは、何事ですか」と、たずねた。

陳震は、いま南征の途上にある蜀帝の旨を仔細に語って、

「ぜひ、仙翁をわずらわして、お問いいたしたいと仰せられます。それがしがお供いたしますから、一日、下山して、蜀の陣までご足労願われますまいか」