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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
何で、昨今の大事を知らずにいてよいものですか」
「ではなぜ朝議にすがたを見せないのか」
「ただ宰相たるのゆえをもって、無為無策のまま臨んでも、かえって諸員に迷妄を加えるのみですから、暫しじっと、孤寂を守って、深思していたわけであります。そしてこうして、日々池の畔に立ち、魚の生態をながめ、波紋の虚と、魚游の実とを、この世の様に見立てて思案しているうちに今日ふと、一案を思い泛かべました。……陛下、もうお案じ遊ばされますな」
と、孔明は、帝を一堂に請じて、かたく人を遠ざけ、次のごとき対策をひそかに奏上した。
「わが蜀の馬超は、もと西涼の生れで、胡夷の間には、神威天将軍と称えられ、今もって、盛んな声望があります。故に、彼を向けて、西平関を守らせ、機に臨み、変に応じて、胡夷の勢をよく馴致するときは、この一路の守りは、決して憂うるに足りません」
また二路の防ぎに対しては、さらに説いて、
「由来、南蛮の将兵は、猛なりといえども、進取の気はうすく、猜疑ふかく、喧騒多く、智をもって計るに陥りやすい弱点をもっています。で、すでに臣檄文をとばして魏延に擬兵の計をさずけ、益州南方の要所要所へ配備させてありますから、これまた、宸襟を悩まし給うには及びませぬ」