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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。

N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁

青空文庫

と云い、

「――なお、上庸の孟達が、漢中へ進攻してくる形勢ですが、彼は元来蜀の一将であり、詩書には明るく、義においては、お味方の李厳とすこぶる心交のあった人物です。義を知り、詩書を読むほどの人間に、良心のないわけはありませぬ。依って、生死の交わりをなした李厳を、その方面の防ぎに当て、私が文章を作って、それを李厳の書簡として書かせたものを、彼の手から孟達へ送らせるのです。――さすれば孟達の良心は自らの苛責に、進むも得ず、退くも難く、結局、仮病をつかって、逡巡日を過してしまうでしょう。……次には、魏の中軍たる曹真の攻め口、陽平関の固めですが、彼処は屈強な要害の地勢、加うるに、趙雲子龍が拠って守るところ、めったに破られる怖れはありません。――かく大観してくれば、以上の四路は憂うるに足らずで、この同時作戦は、いかにも大掛りではありますが、我にとっては、懸け声だけのものに過ぎぬと断じてもよい程であります。しかし、なお念のために、臣さきに密命をくだして、関興、張苞の二人に各※(二の字点、1-2-22)兵二万をさずけ、遊軍として、諸方の攻め口に万一のある場合、奔馳して救うべしといいつけてありますから、どうか御心を安められますように」