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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《三国志(七)(さんごくし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N1,點詞查義。
N1 · 挑戰 · 新字新假名 · 371,916 字 · 744 頁
「なに、勅使とか」
自身、出迎えて、中軍へ請じた。
見ると、その使いに来たのは、馬謖だった。
孔明は彼のすがたを見たとたんにはっとしたらしい。なぜならば馬謖は無色の素袍を着し、白革の胸当をつけ、いわゆる喪服していたからである。
敏にして賢い馬謖は、孔明の顔にうごいた微かなそれをも見のがさなかった。――で、言葉を急いで、
「ご陣中へ、喪服して臨み、失礼はおゆるし下さい。実は、出立の前に、兄の馬良が亡くなりましたので――」と、逆さまながら私事を先にのべて、まず孔明の心をなだめてから、
「天子が、それがしを、ご陣中へお遣わしなされたのは、何の異変も都にあるわけでなく、夷蛮の熱地を征く将士の労をおしのび遊ばされ、成都の佳酒百駄を軍へご下賜あらせられました。――荷駄はやがて後より着きましょう。右までをお伝えいたします」
と、使いの要旨を述べた。
その夕、下賜の酒が着いた。孔明はこれを諸軍に頒って、星夜の野営に、蛮土の涼を共に楽しみながら、また馬謖と対して、彼も一杯を酌んだ。
四方山のはなしの末に、彼は馬謖へ向って試みにたずねた。
「いま蛮国を討治するに当って、ひとつ君の高見を訊きたいものだ。