Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme

Aozora Bunko

んなせえまし」

「む! そうなくてはならぬ」

と会心の笑みを洩らした自斎は、そこで、明快な一諾を与えた。

「伝吉とやら、そちの気骨、新九郎殿とやらの意気組み、自斎大いに気に入ったぞ、いや、失礼じゃが気に入った――いかにも、今の頼みは承知致した。ただし、広言ではないが、富田流三家の秘法に達した拙者を打ち負かすほどの腕前にならるるには、尋常一様なことでは難かしい……と云って、武士と武士、剣にかけては、決して恵みはかけぬ心底、必ず充分な腕を鍛えて来られねば相成らぬ」

「云うまでもございません。じゃ一筆書いてもらいましょうか。幸い、新九郎様へお渡しするこの品と一緒に差し上げれば、何よりよいお餞別でごぜえますから」

「しかし、もう一ツ断っておきたいことは実は拙者の身の上も、ご生死のつまびらかならぬ、恩師富田五郎左衛門先生の行方を尋ねて、ある剣法の懐疑の一点をお糺し申さねばならぬので、かく諸国を経巡っているのだ――じゃによって、住地を定めて、新九郎殿の来るのを、待っている訳には参らぬ」

「それは百も承知です。どうせまだ、これからご修行の新九郎様も、永い苦行の旅をお続けなさる体です。