Japanische Klassiker mit Furigana
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme
「ワッ」
と叫んだまま、顳の骨が砕け飛んだかと思えてクラクラとなってそこへ倒れた。
「ざまを見やがれ」
さっき見物の中へ投げ込まれた源七と玄蕃と、共に帰ってきて物蔭にかくれていた金井一角などがたちまちせいたかとこんがらを荒縄で縛り上げ、ことさらに、大衆の前へズルズル引き摺ってきて、蹴る撲る唾を吐きかける、至らざるなき侮辱を与え、それにも飽かず今度は源七の持っていた弓の折れでピシリピシリと皮肉の破れるほど打ちすえた。
「あ、ひどい畜生、三人がかりじゃ耐らない」
「両親分が殺される、誰か薬研堀へ報らしてやれ」
見物は興に過ぎてかえって興を醒ました。気の小さい者は見ているのも無残そうに目をおおって逃げだしたが、たちまち何者か、一方の仕切り竹をミリミリッと蹴破って群集注視の中へ躍り込んだ者があった。
「やッ」
物音に振り顧った小六がきっと見ると、深編笠に黒紬の単衣、革の野袴を穿った大兵な侍が、愕くうちに早くもつかつかと側まで来てしまった。小六はハッタと睨んで、
「やあ何奴、許しもなく仕切り竹を踏み破ってこれへ参るとは不作法千万」
「ゆるさっしゃい、この中に拙者の知り人が一名おったゆえ、つい気を急いてのことでござる」