Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Lesen Sie 剣難女難 (けんなんじょなん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 243.807 Zeichen · 482 Bildschirme
「と仰っしゃったところで、会わせたいお方がここにいないでは、何もならないではござりませぬか」
「でもせめて、落ち着く先の居所だけでも聞いて、新九郎様にお知らせ申したいものでござります」
「さ、その新九郎様の行方は、こうして二人で尋ねている矢先、アアままにならぬもの……」
追い疲れたか、ホッと足を緩めていると、道中つきものの駕屋が、目ばやくこの美しい二人を見つけて群がった。
「もし、お女中がた、どうせ妻籠越えにかかるんでしょう。駕を使っておくんなさい。男なら馬もいいが、あなたがたじゃ駕より他にありませんぜ」
「要りません、麓の立場でゆるゆると休んだ上のことにする心算ですから」
「じゃ立場までやッて、息次ぎとしようじゃありませんか。オイ、早くもう一挺来い、乗って下さるとよ」
「これ、要らぬと申しているのに」
「要らねえたッて、大妻籠四里の山の中を、女の足で歩く訳にも行きますめえ。さ、乗っておくんなさい」
「うるさい下郎じゃ、そのような駕には乗らぬ」
「なに下郎だと」
「…………」
年上女らしい女は、口をつぐんで、クルリと後ろ向きになり、並木の風を入れている。
「やい、てめえは何様か知らねえが、下郎と言ったなあ聞き捨てにならねえ、さ、ここにいる仲間一同へ両手をついて詫びればよし」