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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

火中の栗

ぎょろりと、大堂を見わたしながら、天井をゆするような声で、

「諸公はいったい何しとるんかっ。孔明先生は当世第一の英雄じゃ。この賓客にたいし、愚問難題をならべ、無用な口を開いていたずらに腸を客に見するなど、呉の恥ではないか。主君のお顔よごしでもある。慎まれいっ」

そして孔明に向っては、きわめて慇懃に、

「最前からの衆臣の無礼、かならずお気にかけて給わるな。主君孫権には、はやくより清堂を浄めて、お待ちしておりまする。せっかくな金言玉論、どうかわが主君にお聴かせ下さい」

と、先に立って、奥へ案内して行った。

ばかな目を見たのは、むきになって討論に当った諸大将であった。もとよりこれは黄蓋が叱ったわけではない。誰か孫権へ告げた者があって、孫権の考えから、賓客のてまえ、こう一同にいわざるを得なくなり、黄蓋が旨をふくんできたものにちがいない。何にせよ、それからの鄭重なことは国賓を迎えるようであった。黄蓋と共に、魯粛も案内に立ち、粛々、中門まで通ってくると、開かれたる燦碧金襴の門扉のかたわらに、黙然、出迎えている一名の重臣があった。

「おお……」

「おお……」

孔明は、はたと足をとめた。