Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(五)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme
八
死せる周瑜は生きていた。この夜、周瑜は十分に勝ちぬいて、意気すこぶる旺に、程普をつれて、乱軍の中を縦横し、いでこの上は南郡の城に、呉の征旗を高々と掲げんものと、壕の辺まで進んでくると、こは抑いかに、城壁の上には、見馴れない旗や幟が、夜明けの空に、翩翻と立ちならんでいる。
そしてそこの高櫓の上には、ひとりの武将が突っ立って、厳に城下を見下していた。
八
怪しんで、周瑜が、
「城頭に立つは、何者か」と、壕ぎわから大音にいうと、先も大音に、
「常山の趙雲子龍、孔明の下知をうけて、すでにこの城を占領せり。――遅かりし周瑜都督、お気の毒ではあるが、引っ返し給え」と、城の上から答えた。
周瑜は仰天して、空しく駒を返したが、すぐ甘寧をよんで荊州の城へ馳せ向け、また凌統をよんで、
「即刻、襄陽を奪い取れ」と、命じた。
――われ、孔明に出しぬかれたり!
周瑜の心中は、すこぶる穏やかでなかったのである。この上は、時を移さず、荊州、襄陽の二城を取って、その後に南郡の城を取り返そうと肚をきめたものだった。
ところが、たちまち、早馬が来て、
「荊州の城にもすでに張飛の手勢が入っている」