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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(五)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(五) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 325.249 Zeichen · 653 Bildschirme

Aozora Bunko

長安は、いま廃府となっていたが、むかし漢の皇祖が業を定めた王城の地。さすがに、要害と地の利は得ている。

「この土地の長く栄えない原因は、二つの欠点があるからです。土質粗く硬く、水はしおからくて飲むにたえません。もう一つの欠所は山野木に乏しく、常に燃料不足なことです。……ですからこういう謀計を用いれば、難なく陥るにちがいありません」

徳の言であった。

そのことばを容れたものか、馬超は急に包囲をといて、数十里、陣を退いた。

守将の鍾は、

「寄手が囲みを解いたからといって、みだりに城外へ出てはならん。敵にどんな計があろうも知れない」と、軍民を戒めていた。

しかし三日たち四日経つうちに、無事に馴れて、一つの城門が開くと、西も東も、各所の門で、城外との往来が始まった。

みな水を汲みに行き、薪を採りに行く。その他の食糧なども、この間にと、争って運び入れた。

「何事もありませんね」

「敵はあんな遠くですからな」

「さよう。もしもの時は、敵を見てから城内へ逃げこんでも、結構、間に合いますよ」

うららかなものだった。

果ては、旅芸人や雑多な商人まで、自由に出入りし始めた。