Classiques japonais avec furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans
その自慢ばなしに依ると。
廻船問屋の店は、堺の唐人町の海岸にあって、三戸前の蔵と、何十艘の持船がある。
また店は、堺のみでなく、長門の赤間ヶ関にもあるし、讃岐の丸亀にも、山陽の飾磨の港にも出店がある。
わけて小倉の細川家からは、特に藩の御用も仰せつかっているので、お船手印もゆるされ、苗字帯刀もいただいて、赤間ヶ関の小林太郎左衛門といえば、中国九州きって知らない者はない。
等々々、ならべたてて、
「商人といってもお前、ぴんからきりまであるよ。廻船問屋というものは、いざ天下の大戦とでもなってごらん。薩摩様でも細川様でも、藩のお手船だけでは足りはしない。だからふだんは凡の問屋でも、いざとなれば、御合戦の一役をするのですからね」
と、その小林太郎左衛門の娘であるお鶴は、口惜しがって、頻りと説く。
御寮人は、お鶴の母であり、太郎左衛門の妻でもあって、名はお勢様という――ことなども、やがて伊織に分って、伊織もすこしいい過ぎたと思ったか、
「お嬢さん。怒ったの」
と、機げんをうかがう。
お鶴も、お勢も、笑ってしまいながら、
「怒りはしないけれども、おまえみたいな井の中の蛙の子が、あまり小癪な口を、きくからですよ」