Classiques japonais avec furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans
八
と、承知しない。
そして、二刀の法について、いろいろな質問を出し、いったいどういう習練をし、どれほどな力量があったら、二刀を自由に使いこなせるものか――などと幼稚なことを臆面もなく訊いてくる。
武蔵は、帰りたくて堪らなかったが、こういう人たちに限って、その質問に満足を得ないと、帰しそうもないので、ふと、床の間に立てかけてある二挺の鉄砲に目をとめて、あれを御拝借できようかと、主の亘志摩へいった。
八
主の許しを得て、武蔵は、床の間から二挺の鉄砲を取って、座の中央にすすんだ。
「……はて?」
何をするのかと、人々は怪しみながら見まもった。二刀についての質問を、二挺の鉄砲で、どう答えるつもりかと。
武蔵は、鉄砲の筒のほうを、左右の手に、持ちながら、片膝を立て、
「二刀も一刀。一刀も二刀。左右の手はあるも体は一体。すべてにおいて、道理にふたつなく、理の窮極においては、何流何派といえど変りのある訳はござらぬ。――それを眼にお見せ申そうならば」
と、両手に握った鉄砲を示し、
「御免」
といったかと思うと、遽に、矢声をかけて、その二挺をぶんぶんと振り廻した。
凄まじい風が座に起って、武蔵の肱が描く二挺の鉄砲の渦は、さながら苧環の旋るように見えた。