Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans

Aozora Bunko

五

と、心のうちで、その必死な言に打たれると共に、

(おのれの醜さ。おのれの迷い……)

とわが身をさえ恥かしく思って別れてしまったのであった。

別れる時、又八が、袂をつかんで最後のようになおいった折――武蔵は初めて、

(……考えておく)

といったが、又八がなお、すぐ返辞をと求めてやまないので遂に、

(考えさせてくれ)

と、辛くも、一時のがれをいい残して、山門を出て来たのだった。

――卑怯もの!

武蔵は自分へ罵りながら、しかもいよいよ、無為の闇から脱けられない、この日頃の自分をあわれに眺めた。

五

無為の苦しさは、無為を悶える者でなければ分らない。安楽は皆人の願うところだが、安楽安心の境地とは大いにちがう。

なさんとして、何もできないのである。血みどろにきながらも、頭も眸もうつろに呆けたここちである。病かというに、肉体にはかわりはない。

壁へ頭をぶつけ、退くに退けず、進むに進めない。にッちもさッちも行かない空間に縛られて、果てもないここちがする。その果てに、われを疑い、われを蔑み、われに泣く。

――浅ましや己れ。

武蔵は、憤怒してみる。あらゆる反省を自己へそそいでみる。