Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans

Aozora Bunko

三

と、促されて、権之助と伊織とは、二人きりでひろい伽藍の中へ坐った。仰ぐと、台座からなお一丈の余もある金色の大日如来が、天井で微笑をふくんでいた。

三

やがて内陣のうちから僧正は袈裟をつけ直して出て来た。そして台座に坐って朗々と経をあげた。

先には、藁草履の見すぼらしい一山僧にしか見えなかったが、そこに坐ると、運慶の鑿の力にも劣らない権威を背なかに示している。

「…………」

権之助は、掌を胸にあわせ、亡き母の姿をまざまざと描いていた。

すると、一朶の白雲が、瞼を流れた。――そしてそこに塩尻峠の山や、高野の草が見えた。――武蔵は戦ぐ風をふんで、剣を抜いて立っている。自分は、杖を取って、それに対している。

野中の一本杉の下に、地蔵様のように、ちょこなんと坐っている老母がある。

老母の眼のいかにも心配そうな――。そして今にも、剣と杖の間へ、跳びつきそうなその光。

子を案じる愛の眼。その時、母のすさまじい助言の一声から教えられた「導母の杖」の一手。

「……おっ母さん、今もあなたはあの時のような眼で、私の前途を案じて見ておいででございましょうな。だがご心配くださいますな。