Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans

Aozora Bunko

三

三

厩に駒を繋いで、

「新蔵おじさん。こんな所にいたの」

焚火のそばへ、伊織は駈けて来た。

「おお帰ったか」

「何を考えているの。え、喧嘩したのかい、おじさん」

「なぜ」

「だって今、おいらが帰って来ると、若い侍たちが、ぷんぷん怒って出て行ったもの。見損なったの、腰抜けだのって、門を振り顧って、悪口を叩いて行ったよ」

「はははは。そのことか」

新蔵は笑い消して、

「それよりは、まあ焚火にでもあたれ」

「焚火なんかにあたれるものか。武蔵野から一息に飛ばして来たので、おいらの体は、この通り湯気が立っているよ」

「元気だな。ゆうべは何処に寝たか」

「ア。新蔵おじさん。――武蔵さまが戻って来たよ」

「そうだそうだな」

「なんだ。知ってるの」

「沢庵どのがいわれた。多分もう秩父から放されて、戻っている頃だろうと」

「沢庵さんは?」

「奥に」

と、眼でさして、

「伊織」

「え」

「聞いたか」

「なにを」

「おまえの先生が出世なさる吉事だ。途方もない歓び事だ。まだ知るまいが」

「何。何。教えてよ。先生が出世するって、どんなことさ」

「将軍家御師範役の列に加わって一方の剣宗と仰がれる日が来たのだ」

「えっ、ほんと」