Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans
三
「もしや、権之助どのではありませぬかな」
同じように、船が出ても、なお佇んでいた人々の中から、光悦がその姿を見かけて、近づきながら声をかけた。
夢想権之助は、その手についていた杖を、小脇へすくって、
「お。あなたは」
「いつか河内の金剛寺でお目にかかった……」
「そう。忘れてはいませぬ。本阿弥光悦どの」
「ご無事でお在でられたとは、さてさてめでたい。実は、仄かに、おうわさを聞き、生死のほども案じておりましたが」
「誰に聞きましたか」
「武蔵どのから」
「え。先生のお口から? ……はて、どうしてであろう」
「あなたが、九度山衆に捕まって、どうやら隠密の疑いで、害されたかも知れぬという消息は、小倉の方から聞えて来たのです。――細川家の御家老、長岡佐渡様のお手紙などから」
「それにしても、先生がご存じの仔細は」
「今朝お立ちになる昨日まで、武蔵殿は、てまえの門内の長屋にお住居でした。その居所が小倉へ聞えたので、小倉からも度々、書面の通ううち、お連れの伊織殿も今では長岡家にいるとやらで」
「えっ。……では伊織は、無事におりまするか」
権之助は、今日の今、初めてそれを知ったらしく、そしてむしろ、茫然たる面持だった。