Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans

Aozora Bunko

八重垣紅葉

一

なお糾合すれば、伊賀から随身して来た野武士で、今は転業している者など、十名以上はすぐ狩りあつめられよう。

藤次は、手馴れの鉄砲を持つがよいし、自分は、いつもの鎖鎌を用意して来ている。――ほか二人の番僧は槍を持ってもう先へ出たはずである。なお、出来るだけ味方を狩りあつめ、夜明け前に、大岳へゆく途中の小猿沢の谷川橋で――われわれを待ち合す手筈になっているから、万々、これで遺漏はあるまいと、宍戸梅軒はいうのだった。

藤次は、驚いて、

「へえ、もうそんな手廻しがついているので?」

と、疑わしい眼をした。

梅軒は、苦笑した。

梅軒をただの寺僧と見馴れているから意外とするのであろうが、前身の辻風典馬の弟黄平としてみれば、これくらいな早仕事は、眠りをさました野猪が、山萩の一叢に、風を起したほどにも足りないことだった。

八重垣紅葉

一

まだ、霧が深い――。

小さい残月も、谷から高く離れている。

大岳は眠っていた。

淙々、どうどう、ただ躁がしいのは、小猿沢の底を行く水である。

そこの谷川橋に、黒々と、霧につつまれた人影がかたまっていた。

「藤次」

と、低声に呼ぶ。

梅軒の声である。