Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans
二
――自分を捨てて、大勢のために考えれば、食物はひとりでに、誰かが与えてくれるのだということを覚えた。
「家も、こんどは、潰れぬように、わしらの手で建ってあげますでの、今夜は、わしが所へ来て寝さっしゃい」
と、年老った百姓は、いってくれる。
その老百姓の家は、この近村ではいちばん旧かった。ゆうべずぶ濡れになった、肌着や着物を乾かしてもらい、武蔵と伊織は、その晩、老百姓の家のお客になって寝た。
「……おや?」
寝てからのことである。
伊織は、隣に眠っている、武蔵の方へ、寝返りを打って、小声でいった。
「先生」
「……ウむ?」
「遠くの方で、神楽囃子が聞えませんか――遠くの方で」
「聞えるようでもあり、聞えないようでもあるが」
「変だな。こんな大暴風雨の後に、神楽の音が聞えるなんて?」
「…………」
寝息はするが、武蔵の返辞はしないので、伊織もいつか、眠ってしまった。
二
朝になって、
「先生。秩父の三峰神社って、そう遠くないんだってね」
「ここからでは、幾らもあるまいな」
「連れて行っておくんなさい。――お詣りに」
なにを思い出したのか、今朝、急に伊織がいい出したのである。