Classiques japonais avec furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans
と、城太郎と応対していた郷士は、うしろへいってまた、
「なるほど、これはおばばの筆蹟にはちがいないが、そのおばばが、わが身を連れに引っ返さるべく候――と書いているのは、どうした次第か」
血相を研いで詰めよると、城太郎は、
「人質に取ってある」
と、澄まして、
「お通さんを渡せば、おばばの居場所も教えてやる。否か応か」
と、いった。
さてこそ、いくらおばばを待っていても後から来ない筈――と、三名は目顔を見合せていたが、そういう城太郎のまだ乳くさい年頃を見縊って、
「ふざけたことを申すな。どこの青二才か知らぬが、おれたちを、何だと思う。下ノ庄の本位田といえば、姫路の藩士なら一応は知っている筈」
「面倒。否か応か、それだけ聞こう。否というなら、おばばの身は、抛っておくまでのこと。山で飢え死させるがよい」
「こいつ」
跳びかかって、一人は城太郎の腕くびを捩じ取り、一人は柄をにぎって、斬る構えを見せた。
「たわごと申すと、首の根をたたき落すぞ。おばばの身を、どこへ隠した?」
「お通さんを渡すか」
「渡さんっ」
「では、拙者もいわん」
「どうしても」
「だから、お通さんを、返せ。