Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans

Aozora Bunko

手取り足取りである。――その人々が彼の体から離れて、

「さすがに手強い」

と、ひと汗、拭き合った時には、もう、権之助は鞠のように縛られて、どうでもしろというように大地に委せられていた。

その両手と胴とを幾重にも巻いた縛めの紐は、この近郷で――いや近頃はかなり遠国まで知れて来た丈夫な木綿の平打紐で、九度山紐とも、真田紐ともよばれ、製品の販路を拡げて歩く売子も、何処へ行っても見かけるほど手びろく売り出されている紐だった。

今、草むらから不意に起って、権之助を陥穽に落して顔見あわせている、六、七名も、すべてその紐売りの旅商人拵えの者ばかりで、ただひとり山伏扮装の男のみが、違っているだけだった。

「馬はないか、馬は」

山伏はすぐこう気を配って、

「九度山まで、引っ立てて歩くのも、途中がわずらわしい。馬の背に縛りつけて、蓆でも引っかぶせて行くとしては?」

と諮ると、

「それがいい」

「この先の天見村まで行けば」

と、一同異議なく、権之助を追い立て追い立て、真っ黒にかたまって、雲と草の彼方へ、急いで行ってしまった。

――だがその後。

地の底から、冷たい風のふき上がるたびに人の声が、この高原の空をながれていた。