Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans

Aozora Bunko

恐らく、又八は今頃は、もう江戸城の中にいるだろう。そして大蔵と約束したとおり、槐の木の下に埋けてある鉄砲を持ちだして、秀忠将軍を一発の下に撃つ日を待っているにちがいない。

それが自己の破滅の日とも知らずに。

何にしても、大蔵は怪人物である。又八の如きが他愛なく囮になったのは当然でさえある。朱実も今は、彼に奉じる特殊な側女となっているし――もっと驚くべきことには、武蔵が、手しおにかけて数年も愛育して来た少年城太郎までが、いつのまにか、年ばえも十八の前髪振りのいい青年になって、しかも大蔵のことを、

――おやじ様

と、敬称するような境遇になり果てている事実である。

いかにとはいえ、盗賊の彼につかえて、おやじ様と呼ぶほどな人間になったと――その城太郎の変りようを知ったら、武蔵よりは、あのお通がどんなに嘆くことだろうか。

それはとにかく。

くるま座になった五名は、半刻近くもそこでいろいろな評議をこらしていた。その結果、奈良井の大蔵はもうこの辺で木曾へ姿をかくし、江戸へは戻らぬほうが安全だろうということになった。

しかし芝の質店の方には、家財などはともかく、焼いて捨ててしまわなければならない書類などもあるし、朱実も残して来たことだから、誰かその始末に一人はやらなければならないがというと、