Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans

Aozora Bunko

杉林の上が水色に暁けてきた。

鴉の群れが噪がしい。四辺は白々と露ッぽく見えて来た。沢庵はと見ると、くたびれたかの如く杉の根に腰かけている。城太郎は彼の折檻でも待つもののように、半身木に凭れてうつむいていた。

「……えらい者の仲間に引きこまれたものじゃな。この大きな天下の歩みが、どう動いてゆくかも見えぬとは、不愍な者の集まりよの。だが、事を起さぬ前でまだよかった」

そう呟いた時の沢庵は、もうなにも屈託した顔つきではなかった。彼はそんな物はありそうもない懐中から二枚の黄金を取り出した。そして城太郎にここからすぐ旅路へ立てというのである。

「一刻もはやくせぬと、そちの身ばかりか、親にも師にも、災難をかけることに相成ろうぞ。遠国へ奔れ、思いきって遠国へ。――それも甲州路から木曾路は避けて行くことじゃ。なぜならば、きょうの午下がりから先は、もうどの関所も厳しゅうなる」

「お師匠様のお身はどうなりましょうか。わたくしのためにああなったと思うと、このまま他国へも」

「その段は、沢庵がひきうけておく。二年なり三年なり余燼のさめた頃に、改めて、武蔵どのを訪ね、お詫びいたしたがよかろう。