Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans

Aozora Bunko

「あんな者恐いのか」

「恐かないけれど……」

「奈良から追われた牢人だよ。この先へ行くと、山住居してたくさんいるぜ」

「大勢?」

お通は、帰ろうかと惑った。梅花はもう眼を遣る所に咲いていた。けれど山峡の冷気が肌身に沁みて、梅花に楽しむよりも、心は人里にばかり牽かれていた。

だが、丑之助の引く手綱は、無心に先へ先へ歩いている。そして、

「お通さん、後生だから、おらを木村様に頼んで、お城の庭掃きでも水汲みにでも、雇ってくれねえかなあ」

などといった。

丑之助の日頃の望みは、それにあるらしかった。祖先の名は菊村といい、親代々、又右衛門を名乗って来たから、自分も侍になった上は、又右衛門と改める。そして菊村という名からは、偉い先祖が出ていないから、自分が剣法で家を立てたら、郷土の名を取って荒木を姓にし、荒木又右衛門と名のるつもりだ――などと姿に似げない抱負を述べる。

お通は、この少年の夢を聞くにつけ、城太郎はどうしたろうと、弟のように、別れた彼の身が考え出された。

(もう、十九か二十歳)

城太郎の年をかぞえると、ふと彼女は堪らない淋しさに駆られた。自分の年を思い出したからである。