Classiques japonais avec furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans
左の太股か腰部の骨は砕けた筈である。あれだけ見せておけば、このまま、細川家に縁はなくてもまず遺憾はないがと、小次郎はひそかに思う。
だが、未練はまだ、十分にある。将来、身を託す所として、伊達、黒田、島津、毛利に次いで、細川あたりは慥な藩である。大坂城という未解決な存在がまだ風雲を孕んでいるので、身を寄せる藩に依っては、再び素牢人に転落したり、落人の憂き目にあう惧れは多分にある。奉公口を求めるにも、よほど将来を見通してかからないと、半年の禄のために、一生を棒にふるかも知れない。
小次郎には、その見通しがついていた。三斎公という者がまだ国元に光っているうちは、細川家は泰山の安きにあるものと見ていた。将来性も十分にあるし、同じ乗るなら、こういう親船に乗って新時代の潮へ、生涯の舵を向けてゆくことこそ賢明だと考えていた。
(だが、いい家柄ほど、易々と、抱えもせぬし)
小次郎は、やや焦々する。
何を思いついたのか、それから数日後のこと、小次郎は急に、
「岡谷五郎次どのを見舞って来る」
と、いって出かけた。
その日は徒歩で。
五郎次の家は、常盤橋の近くだった。彼は突然、小次郎の慇懃な見舞をうけて、まだ病床から起き上がれない身であったが、