Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans

Aozora Bunko

ちょうどその頃。お通は、堺の港から赤間ヶ関へゆく便船に乗って、その船が、飾磨へ寄港した折この土地へ下りたのであったから。

――とすれば、何という惜しさ。

運命に盲目な人間のあわれさ。

彼女が乗って来たその船は、廻船問屋の太郎左衛門の持船であったにちがいない。

日こそ違うが、同じ堺港を出た太郎左衛門船には、その後細川家の家士らがこぞって乗船した。

そして、その潮路を、長岡佐渡も、伊織も、巌流佐々木小次郎も通った。

巌流や佐渡とは、よしや顔見あわせても知らずに過ぎようとも、どうして伊織と会えなかったろう。いつの船でも、飾磨の浦には寄るものを。

実の姉! と、あれほど探している伊織に――。ひとつ浦辺に寄りながら。

いやいや会えなかった筈ともいえるのだ。細川家の家中が乗船したので、胴の間や艫の席には幕を張り繞らし、ふつうの町人、百姓、道者、僧侶、芸人など一般の者はみな、箱のような船底へ区切られ、覗き見もできなかったし、飾磨へ寄って、彼女が船を下りたのも、夜明けのまだ暗いうちであったから、伊織がそれを知るよしもなかった。

飾磨は、乳母の里だった。

彼女がここへ来たことから察しると、春、柳生を立ち、江戸へ行った頃には、もう武蔵も沢庵もいなかった後で、わずかに、柳生家や北条家を訪ねて、武蔵の消息ぐらいを聞き、ふたたび