Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans

Aozora Bunko

その朱実が、又八の家へ逃げて来たのは、一時の方便にすぎなかった。又八を踏み台にして、再び、立ってゆく空をさがしている小鳥だった。

――だが、いま又八に、お城仕事になど行ってしまわれるのは、都合が悪かった。というよりも、身の危険であった。茶汲女をしていた頃の男――浜田某という牢人に、見つけ出される惧れがあるからである。

「そうそう」

飯が終ると、又八は、そのことについて、話し出した。

浜田につかまって、ひどい目に遭っていたところを、佐々木小次郎に助けられ、その小次郎が、此家へ案内しろといってきかないので、閉口したが、とうとう体よくいって、別れて来た――ということを審に、彼女の気を迎えるように、語り出したのである。

「えっ、小次郎に、出会ったんですって」

朱実は、もう顔いろを失いながら、息をついて、

「そして私が、ここにいるなどということをいったんですか。まさか、いいはしないでしょうね」

と念を押した。

又八は、彼女の手を、自分の膝へ取って、

「誰が、あんな奴に、おまえのいることなどいうものか。いったが最後、あの執念ぶかい小次郎がまた……」

――あっと、そこで、又八はふいに呶鳴って、自分の横顔を抑えた。