Classiques japonais avec furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 350 912 caractères · 702 écrans
「巌流の門人らしい。こんな所へ武蔵どのを招いて、われらが首を集めているので、助太刀の策でも密議していると、変に取ったのじゃあるまいか。あわてて、駈け去って行き申したが」
「あははは。その疑い、先方にしてみれば無理もない」
ここの人々は、あくまで磊落であったが、こよいあたり、城下の空気がどう動いているか、武蔵には、ふと考えられた。
――長座は無用。同郷の縁故があるだけに、なおさら心しなければならない。かかる武士たちへ、よしなき累を及ぼしては済まぬ。武蔵はそう考えついて、十分に人々の好意を謝し、一足さきに、楽しい河原の莚を辞して飄然と去った。
飄然――
いかにもそういったふうな武蔵の去来だったのである。
翌日。
すでに十二日である。
当然、武蔵はどこか、小倉城下に泊って、待機しているものと思い、長岡家では、彼の宿所を、手分けして探していた。
「なぜ引き留めて置かなかった」
と、用人も取次も、後では主人の長岡佐渡に、かなり叱られたこと間違いない。
昨夜、到津の河原へ武蔵を迎えて飲んだという六名の仲間も、佐渡にいわれて探し歩いていた。
が、分らなかった。
杳として、武蔵の姿は、十一日の夜から行き先が知れないのであった。